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〒350-1142 埼玉県 川越市 藤間 937-3
Sobajima Surgical Clinic
内科疾患
高血圧
「高血圧治療ガイドライン2019」が発表されました。高血圧の定義は診察室では収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上と定義されております。当院の高血圧治療では、より高血圧の状態を把握するため家庭血圧の測定を推奨しております。家庭血圧での高血圧は135/85mmHg以上であります。高血圧の治療の基本は、まず、生活習慣の改善に加え、減塩、減量が効果的とされており、更に降圧薬の内服を行います。今回の改定で降圧目標値が75歳未満の場合は診察室血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満、75歳以上の高齢者は診察室140/90未満、家庭135/85未満となり、より厳格になりました。
世界の流れとして、米国のガイドラインは高血圧症の定義を現在の140/90から130/80に変更しました。これは大規模臨床試験にて降圧目標を120未満とした人々の心血管リスクが低減されたことを受けたものです。より厳格に降圧する方向が趨勢のようです。
糖尿病(2型)
「糖尿病診療ガイドライン2019」が発表されました。
まず診断基準は
①空腹時血糖値 126 mg/dl
②75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値 200 mg/dl以上
③随時血糖 200 mg/dl以上
のいずれかに加え、HbA1c 6.5%以上であれば糖尿病と診断されます。
糖尿病の治療の指標は管理目標値です。HbA1c 7.0 %未満、空腹時血糖 130mg/dl未満、食後2時間血糖 180mg/dl未満です。過体重者は5%の減量です。治療の基本は、食事療法と運動療法です。
食事療法の目的は総エネルギー摂取量(kcal/日)の適正化によってインスリンの作用を是正することであり、年齢別、日中の活動程度で算出されます。他に、少量の果物はいいが、甘いジュース、甘味は控えることが必要です。炭水化物(糖質)を制限する食事方法の評価はされませんでした。
運動療法については、中程度の有酸素運動(8000~9000歩)を週に3日以上、レジスタンス運動(筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動でスクワット、ダンベル運動など)を週に2、3日、両方行えば相乗効果があります。薬物療法の薬物選択優先順位は示されませんでした。
当院では、欧州のガイドラインに準拠してビグアナイド薬を第一選択とし、第二選択以降は病態に合わせ追加することを基本としております。インスリン治療も必要であれば行っております。また、埼玉医科大学総合医療センター内分泌・糖尿病内科と連携をとっております。
気管支喘息
ぜん息は気道の慢性炎症を本態とし、変動性を持った気道狭窄(ぜん鳴、呼吸困難)や咳などの臨床症状で特徴づけられる疾患であります。
その管理に関しては日本アレルギー学会より「ぜん息予防・管理ガイドライン2018」が上梓されており、当院も基本的にこれに準拠し治療しております。慢性的に持続する気道の炎症によって徐々に不可逆性の気流制限が起こってしまうことが問題であると認識し、普段から持続する炎症を抑え、元気な人と同じ日常生活を送ることができるように治療することが、ぜん息発作の予防、並びに高齢になっても良好な肺機能を維持することができると考え、コントロールをしてまいります。
現在当院では、従来の内服+発作時吸入ではなく、吸入薬を中心に症状に応じて吸入薬の種類を追加併用する治療を行い、コントロール不良例は専門の先生にご紹介させていただいております。
COPD(慢性閉塞性肺疾患:肺気腫、慢性気管支炎等)
いわゆるタバコ肺と言われる肺気腫、慢性気管支炎の総称です。息切れ、咳、少量のたんが主症状であります。当院ではレントゲンや胸部CT検査に加え、呼吸機能検査をおこない病態の把握に努め、病状ごとの治療を行っております。
治療の初段階は禁煙指導です。禁煙は生存率の向上が得られることが判明しております。薬剤療法として単剤の吸入薬で開始し、症状に応じて吸入薬の種類を追加併用する治療を行っております。並行して酸素療法の導入の可否のために、動脈血液ガス分析、6分間歩行試験、呼吸機能検査にて判定し、必要であれば酸素療法、在宅酸素療法の導入を積極的に行っております。
上部消化管疾患(逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍)
当院では、上部消化管内視鏡にて上部消化管(食道、胃、十二指腸)の観察が可能です。ヘリコバクターピロリの検査、及び除菌治療も行っております。投薬治療も病態に応じて処方しております。
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
虚血性心疾患は、心臓を栄養する冠動脈の内側に血栓が生じることで、血管の高度狭窄や完全閉塞が起こり、引き起こされます。心筋の壊死が伴うと心筋梗塞となり、経カテーテル的もしくは手術による速やかな血流再開の治療が必要となりますので、専門の先生にご紹介させていただいております。狭心症の検査である運動負荷心電図(トレッドミル)は施行可能ですのでご相談ください。
不整脈
心臓拍動のリズムが一定ではなくなることですが、徐脈性不整脈には致死性の不整脈があり、ペースメーカー等の対応が必要になってきます。頻脈性不整脈では、心房細動に代表されるような左房(心臓)内に血栓(血の塊)を生じる不整脈もあり、脳梗塞を予防する措置として抗凝固療法や経カテーテルまたは手術による心臓処置などを考慮しなければなりません。当院では、まず検査として不整脈心電図、ホルター心電図(24時間測定)等にて不整脈を把握し、必要であれば専門の先生にご紹介させていただいております。
骨粗鬆症
骨粗しょう症は骨の強度が低下して骨折しやすくなることが本態であります。昔は転倒による大腿骨頸部骨折で寝たきりになることが多かったことから、内服、注射などを用いて骨折リスクを低減し、筋力をつけて、元気で歩ける老後を迎えることを目的として治療します。したがって、まずは骨密度の検査を行い現在の骨粗しょう症の把握をします。「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015」に準拠して、まずカルシウム、ビタミンDなどの摂取、筋力の増進を目的とした運動をお勧めし、必要に応じて薬物治療を開始致します。内服や注射など多彩な投与方法があり、当院では病態に合わせて処方しております。
心不全
2018年に急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)が発表され、心臓拍出機能に着目して治療方針を分けて考慮することとなりました。当院では病状を把握するために、心不全の指標などの採血、胸部単純X線写真、心電図、心臓超音波検査等により検査を行います。まず必要なこととして、水分管理、塩分管理を徹底させていただきます。その後、病状に合わせて投薬治療をおこないます。病状によっては専門的な治療のためにご紹介させていただいております。
過敏性腸症候群
いわゆる緊張などによりトイレに行きたくなってしまったり、便秘になってしまったりすることがこの病気に入ります。「腹痛あるいは腹部不快感とそれに関連する便通異常が慢性、もしくは再発性に持続する状態」と機能性消化管疾患診療ガイドライン2014にて定義されております。この疾患の治療は整腸剤を基本とし、病状に合わせて追加処方をしております。
帯状疱疹
最近ワクチンなどでよく耳にするこの水痘・帯状疱疹ウイルスは、小児期の水痘(みずぼうそう)初感染後、神経節に潜伏感染しており、免疫の低下などをきたすと発症します。当院では、点滴、内服、軟膏製剤などで対処しております。症状である神経痛は治ったあとも遷延することがあり、対処する鎮痛剤もあります。
花粉症
2016年に改定され現行は「鼻アレルギー診療ガイドライン(改定第8版)」です。当院院長も花粉症であることから積極的に治療を行っております。まずは原因であるアレルゲンの回避、除去の対策が重要です。内服治療、点鼻、点眼治療を病状に合わせて行っております。原因のアレルゲン(スギ、ヒノキ等)を探すアレルギー検査(採血)なども行っております。
慢性腎臓病
腎臓が徐々に悪くなる慢性腎臓病は、主に糖尿病の悪化、動脈硬化の進行によって引き起こされます。腎機能の悪化は徐々にそして戻ることなく進行しますので、早めに、悪くならない治療を開始することが、時間や費用のかかる人工透析を向かえないためにも肝要です。
「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」では、腎機能低下を抑制するために厳格な高血圧治療、糖尿病のコントロール、減塩が必要であり、悪化してくると蛋白制限、カリウム制限など、さらなる対応が必要となってきます。また、貧血の管理も必要です。当院では、なるべく腎臓が元気でいられるように指導させていただいております。
認知症
「認知症疾患診療ガイドライン2017」によれば、“一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障を来すようになった状態で、それが意識障害のないときにみられる”とされております。当院ではまず、認知機能検査、血液検査、頭部画像検査などを実施し、“正常老化による物忘れ”との鑑別を行います。認知症は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などが、混合して発症していることが多く、また、投薬すればすぐに治るものでもありません。当院では専門医と連携を取りながら対処しております。また、ご家族に負担がかかることから、介護保険などでサポートしていくご相談もしております。
脳卒中
脳卒中とは脳出血と脳梗塞に大別され、現在では脳梗塞が大半を占めています。脳梗塞は心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他に分けられます。
「脳卒中治療ガイドライン2015追補2017」が最新のガイドラインです。当院で可能な検査は頭部CT検査です。当院にはMRI検査はありません。心原性脳塞栓症は心臓の不整脈に起因する塞栓子(血栓:血液の塊)が脳の血管に詰まる事によって起こり、発症8時間以内であればカテーテルによる治療を埼玉医科大学総合医療センター脳血管センターにて行うことが可能であるため、至急に紹介させていただいております。また、重症の脳梗塞も専門医にご紹介させていただいております。重篤ではない脳梗塞は入院の上、抗血栓療法、脳保護療法、高血圧の治療を行っております。